1/ 2
http://www.jcr.co.jp
15- D- 0435 201 5 年 9 月 3 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
東ソ
ー
株式会社
(証券コード:4042)【変更】
長期発行体格付 A− → A 格付の見通し 安定的
■ 格付事由
(1) 総合化学大手の一角。経営方針として、コモディティ分野(クロル・アルカリ、石油化学)とスペシャリ ティ分野(機能商品)を両軸とする、「ハイブリッド経営」を志向。クロル・アルカリは塩ビ事業と MDI (ウレタン原料)事業から成る「ビニル・イソシアネート・チェーン」が中心。石油化学はエチレン自消率 が高く、自社ナフサクラッカーを高稼働で維持しやすいという特長を有する。一方、機能商品はバイオサ イエンスや有機化成品、高機能材料などのニッチ分野を中心に、競争力の高い製品を複数抱える。 (2) クロル・アルカリは 13/ 3 期にかけ不採算が続き、業績の制約要因となっていた。しかし、需給バランス
や輸出採算の改善などで、14/ 3 期以降、部門収益の改善が進んできた。引き続き、アジアでの MDI供給 能力増強の動きには注意を要するが、機能商品の収益力が向上してきたことで、業績全体の不況抵抗力が 増している。従前、J C R が課題と考えてきた財務構成は、改善が顕著である。堅調な業績に加え、設備投 資はスペシャリティが中心となってきたことで全体水準が抑制されてきている。さらに増資などにより今 後も財務規律を重視する方針であることが明確となり、財務耐久力が着実に向上している。当面、良好な 収益を確保しつつ、健全な財務状況を維持可能と考えられることから、格付を 1ノッチ引き上げ「A 」と し、見通しを安定的とした。
(3) 15/ 3期の営業利益は、リーマンショック前以来の 500億円台を確保した。16/ 3期会社計画では営業利益 670 億円と、9 期ぶりの最高益更新を予想。コモディティ分野は、堅調な需要を背景に主要設備の安定稼 働が予想されることに加え、前期に生じた石油化学の在庫関連のマイナス影響の解消などが増益要因とな る。また、機能商品も製品構成の改善や主要製品の需要好調などで 329 億円の営業利益を見込み、業績を 支える。会社方針に沿って収益の事業間バランスは良好な形となってきており、利益率の上昇を伴って収 益水準が向上してきている。
(4) 大型投資の影響などで 09/ 3 期末 DE R は 2. 8 倍となっていたが、その後はキャッシュフロー状況が改善し、 有利子負債の削減が進展。自己資本は 09/ 3 期末1, 550 億円から、14/ 3 期末では2, 192 億円となった。ま た、繰欠を抱えていた日本ポリウレタン工業の吸収合併に伴う税効果で、15/ 3 期当期利益が大きく押し 上げられた。これを主因に同期末自己資本は 2, 890 億円となり、同期末 DE R は 0. 9 倍となった。一層の財 務基盤の強化を目的に、15 年 7 月に増資(手取概算額289 億円)を実施。この効果もあり、16/ 3 期末自 己資本は 3, 000 億円台半ばにまで拡充される見込み。同期末 DE R も 0. 6 倍程度にまで低下すると考えられ る。需要増加に対応した機能商品の能力増強などが必要となっているが、これが財務面の負担となる可能 性は小さい。
(担当)涛岡 由典・藤田 剛志 ■ 格付対象
発行体:東ソー株式会社 【変更】
対象 格付 見通し
2/ 2
http://www.jcr.co.jp
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 8 月 31 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:島田 卓郎
主任格付アナリスト:涛岡 由典
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「コーポレート等の信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「化学」(2012 年 3 月 26 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) 東ソー株式会社
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■ 本件に関するお問い合わせ先